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11日 ─ Eleventh

青空に羽ばたく白い鳥

以前このブログでも紹介しました『デザインの小骨話』が面白かったので同著者の『デザインの骨格』を読みました。『小骨話』が著者自身のツイッターがベースになっていたのに対して本作はブログがベースになっています。

こちらも大変興味深く読み、感銘を受けました。前回と同じように内容につきましては胸中に留め血肉化していきたいと思います。でも、これだけでは意味のない投稿となってしまいますのでサイドストーリー的に取り上げられていたエピソードを紹介します。

イッセイミヤケの腕時計シリーズ第1弾となるINSETTOをデザインした著者が、同ブランドの旗艦店のオープニングセレモニーに出席するためにニューヨークに到着したのは2001年9月10日でした。そして翌9月11日の早朝に家族との散歩の途中で高いところから景色を眺めることを思い付き、ワールド・トレード・センターとクライスラービルが候補に上がったそうです。そこで近い方のクライスラービルを選択したことで命拾いすることができたそうです。

その後のことについて多くは語られていませんので、あの事件が著者に及ぼした(かもしれない)影響について興味を持ってしまいました。テロリズムによってデザインのやり方や方向性が変わることがあったのだろうかと。

私自身の好奇心を満たすために著者に直接尋ねるわけにもいかず、この点について数日間ぼんやりと考え続けました。それで出た答えは、こんな感じです。

このよう問いとも呼べないような個人的な関心は言葉に出してしまえば野次馬と同類で下衆なものに過ぎない。あれだけの事件であったわけだから発生現場に居合わせて影響を受けていない人などいなかったはずだ。そして、その直接的な影響が良いものであったはずはない。しかし、著者がどのような態度で受け入れまたは拒絶したのかは、著者の作品から感じ取るしかない。私にできることは、感じ取ることのできる感性や思考を磨くことだ。そして、私自身もアウトプットしていくこと。

明日は3月11日です。テロリズムと自然災害を同列に語ることはできませんが、多くの命が失われてしまったことに変わりはありません。また、東日本大災害においては人災により被害が拡大したことも忘れてはいけません。

2001年から17年、2011年から7年。当時のことに思いを馳せ、今後のことについて考えてみます。

なんだか内省的な内容になってしまいましたが、『デザインの骨格』の内容そのものは重たいものではありませんので是非ともお読みになってみてはいかがでしょうか。アップル製品の秘密にも迫れます。

 

山中俊治著 『デザインの骨格』
日経BP社、2011年